れんの話

4/7
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
『かなッ!そこに居るのか!?』 ドアには鍵がかかっていた。 『……ッれ、れん!?』 ガンガンドアを蹴っても、びくともしない。 『ちくしょうッ!開けろ!!あけろぉ!!』 騒ぎを聞き付けた他の学年の先生が駆け寄ってきて 俺を羽交い締めにした。 『お、おい!貴島か!?何やってんだよ!?』 『離せッ!この中にかなが!早く……』 すると、ドアが開いて なに食わぬ顔で担任が出てきた。 『なんだ?貴島。どうかしたか?』 『ふざけんなッ!お前、かなに何をした!?』 『何をって…少しクラスの仕事の準備を手伝ってもらってただけだが…』 『嘘だッ!お前、かなを泣かしてただろッ! 鍵もかけやがって!しらばっくれんな!』 羽交い締めにしてた先生が怪訝な顔をした。 『山口先生……どういう事ですか?』 『いやだなぁ。貴島の勘違いですよ。 鍵なんかかけてませんし。 お疑いなら、本田本人に聞いてみてくださいよ。』 『……本田、どうなんだ?』 『わ、わたしは……………』 かなは悲しそうな顔で俺を見たあと 『先生の手伝いをしてただけです………』
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!