れんの話

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『ほら、ね? 貴島の勘違いです。』 担任は満足げに笑った。 『……なっ……かな!?なんで!?』 かなはうつむいて、それ以上話さなかった。 担任も他の学年の先生も行ってしまって 空き教室には俺とかなだけが残った。 『……れん、ごめん……』 なんで……なんで…… 『なんでお前が謝るんだよ!』 『ごめんなさい……』 ガンッ そばにあった机を蹴飛ばした。 かなはビクッとして、また悲しそうな目で俺を見る。 そんな目で……俺を見んなよ。 『あんなやつ…全部バラしてクビにしてやろうぜ?』 『………それはだめ。』 『だから……なんでッ?』 『私が…黙ってれば……いい話だから…』 そうだ。 かなは我慢しちゃうやつなんだ。 『それに……もう先生も… こういう事しないと思うし。』 『全然、わかんねぇ。』 『……………。』 『俺、お前の事 全然わかんねぇよ!』 俺がかなのなかで1番になるために どんなに努力しても かなの考えてることが全然理解出来なかった。
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