あらし

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松永君の人気はうなぎ登りで 休み時間の人だかりはますます増えた。 松永君の教科書も全部揃って 秘密の筆談もすることがなくなって 残念な様な、ホッとした様な 『今日のロングホームルームは席替えでもしようか。』 あぁ。これで。 松永君との接点は終われる。と思った。 『あー。めっちゃ寂しいやん。 わし、次も本田さんの隣がええのに。』 ……また!声が大きいよ。 チラッと松永君を見ると、楽しそうにニヤッと笑った。 ………わざと? 『なぁ、本田さん。今度わしとデートしてくれん?』 『…………………。』 え?………デート!? ものすごい勢いで首を横に振りまくった。 『はは、めっちゃ振るやん。首。』 だって……無理だよ!私なんか… 『わしの事、嫌いなん?』 それは… 首を横に振る。 嫌いな理由無いよ。 私が答えなくても、毎日話しかけて 笑ってくれるのに。 『ならええやん。しようさ、デート!』 それは無理! 『そんなら、わしが次のテストで1番取ったら デートしてくれるか?』 1番は……いつもれんなんだけど。 『面白いじゃん』 『そこまで言うならデートしてあげなよ。 本田さん!』 『ま、この学年には蓮が居るし。 無理だと思うけど。』 話を聞いてた周りのクラスメイトが口々に言ってきた。 完全に悪ノリだ。 『じゃ、そゆことで。』 えー…… チラッとれんの方を見ると 興味無さそうに雑誌を見ていた。
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