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れんが行ってしまってから、私は人形にでもなったみたいに動けなくなっていた。
もう、れんに睨まれることもない。
酷いことを言われることもないし
突き飛ばされることもない
それなのに……
さっきまで目の前にいたれんが
今はもう居ない。
もう私を見てもくれない。
この気持ちはなんなの?
自分の気持ちなのに、全然分からない。
『あっ本田さん!良かったー。
まだ残ってたのね。
雨本降りになっちゃったねぇ~
先生が車でおうちまで送って行くね………って!
な、なに!?何かあったの!?』
泣いてる私を見て、先生があわてふためいた。
『あ、もしかして雷怖かった?
大丈夫、大丈夫!そう簡単に落ちないし!
さ、帰りましょう!』
先生の車の窓から外を見ながら思ったのは
れん、傘持ってたかなぁ…
雨に濡れて無いといいけど……
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