かなみの話

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『れん君、もう帰るの? 良かったらお夕飯食べて行かない?』 『ありがとうございます。 でもこの後塾がありますので。』 『あらそう。残念ねぇ…』 『では、失礼します。』 『はーい。また来てね!』 1階の会話に耳を澄ませて れんが帰ったのがわかると、ようやくホッとした。 『ちょっと叶美!あんたお見送りもしないで… って、なんでゴロゴロしてるのよ! せっかくのワンピースがシワになるじゃないの! 起きなさい!』 しぶしぶ起きた。 『あら! 叶美によく似合ってるわね! あの白いワンピースより全然素敵! さすがモデルとデザイナーの息子さんねぇ… センスが違うわぁ!』 うんうん、と頷きながら お母さんは360度、私を眺める。 『……これ、普通にお洗濯とか無理なやつよね?』 たぶん。 『はやく脱ぎなさい!これは特別な時に着るやつ!』 やっぱりね。 再びTシャツとハーフパンツに戻った。
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