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オレは返事をして、黒皮張りの一人かけソファーに座った。 親父も背中を押さえながら、オレの向かいのソファーに座る。 これじゃあどっちが大人か分からないな。 「では失礼します」 梢さんは一旦社長室を出て行った。 すると親父はキリッと姿勢を正し、オレを真っ直ぐに見つめた。 「さて、とりあえず入社おめでとう」 「ありがとよ」 「それでウチの会社のことなんだがな」 「ああ」 「その前に、お前に聞いておきたいことがある」 「何だ?」 入社のことについて、大体のことは家で済ませていた。 面接めいたものも、梢さんと済ませている。 だから今更聞かれることなんて、何だろうと少し緊張した。
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