遮られた決意

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 今やツイッターがあれば何でも発信できる。本当に店のファンなら店長としてはありがたいが、悪意ある書き込みで店の評判を落とそうとする人間もいると聞いたことがある。このユーザーが何をつぶやいているのか、アオイは経営者として喜ぶ半面不安にもなった。 「どんなことが書かれてるの?」 「お店のオススメメニューとかかな。このつぶやきをリツイートやいいねしてるユーザーもけっこういる」 「そうなんだ」  ひとまず安心する。 「最近お客さん増えてるのその人のおかげだね。クチコミって大事だし。お礼伝えたいけど、店の公式ツイッターって作ってないんだよね。この際作っちゃおうかな」 「案外身近な人かもよ。読んでみて」  真琴はにんまり笑ってアオイにスマートフォンを渡した。イルレガーメファンのつぶやきが見れるようになっている。 「これ……。この人の日記みたいなもの? いいのかな、勝手に見て」 「見られること大前提のツールだよ」  店の感想以外のつぶやきもあった。他人のプライバシーに踏み込んでしまう感覚がして後ろめたくもあるが、次の一文を読んでその気持ちは消え去った。 《置いてってもらった宿泊費、返すつもりだったけどその隙すらない。受け取ってもらえないならせめて割り勘でいいって伝えたいけど……。それすら許されない空気が漂ってる。》
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