遮られた決意

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「これ……。もしかしてマサの裏アカ……? 真琴、どうやって見つけたの?」 「この前お客さんと話してたら、ツイッターでオススメされてた抹茶ラテがほしいって言われてさ。ツイッターって何のことですかーって訊いたらざっくり教えてくれて。気になって探してみたら、ね」 「私、マサと仲良くなる前、どうしたら店の客層が広げられるのかって悩んでたことがよくあって……。雑談というか場を持たせるための会話でもあったんだけど、まさか、そのことを気にしてマサはこんなことを……?」 「アオイのこと、ホントに好きなんだね。大抵の裏アカってボヤきとか自慢とか公には言いにくいことをつぶやくためのものだったりするのに。こういう裏アカも存在するんだね」 「……どうして? 私、マサにひどいことしてるのに」  寂しさを埋めるために甘えて、避けて、自分のことばかり優先していた。それなのにマサは、避けられ続けている間も店のために動いていた。そんな素振り、微塵も見せずに。  真琴は言った。 「お礼伝えるなら早い方がいいかもね」 「真琴、ごめん。少しだけここお願い。マサに電話してくる」 「いいよー。任せて」  店内再奥の事務所に移動したアオイは、自分のスマートフォンを片手にマサの履歴書を取り出し彼に電話をかけようとした。すると、一通のラインが来ているのに気付く。イクトからだ。そういえば先日、不本意ながらもラインIDを交換しあった。
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