遮られた決意

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「すごいな。若いのに店持って、仕事もバリバリやってて。そういう子、周りにいなかったからよけい気になる」 「物珍しいってことかな」 「まあ多少はね。でも、それだけじゃないよ」  イクトは前のめりになってアオイを見つめた。 「あれからずっとアオイちゃんのこと考えてた。マサなんかやめて俺と付き合ってよ。俺は絶対浮気しない。アオイちゃんのこと、ずっと大切にするから」  やはりと言うべきか、思った通りの展開になってしまった。だからイクトとは会いたくなかった。告白に揺らぐことなく、アオイは毅然と断った。 「それはできない」 「そんなにマサがいい? アイツ、今は一途でもいつまた浮気するか分からないヤツだよ」 「……指輪、返してくれる?」  ただまっすぐ、冷静な面持ちでそれだけ告げるアオイにイクトは気圧され、おずおず拳を差し出した。中には、海イベントで亡くしたアオイの結婚指輪が握られていた。 「ありがとう。あれからものすごく探し回ったの。大切な物だから見つかってすごく嬉しい。お礼にここは私に払わせてね」 「そんなの別にいいよ」 「そういうわけにいかない。これは結婚指輪なの」 「え!? け、結婚!?」  イクトは目を白黒させた。
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