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「やれやれ・・・少なくとも今日は、小うるさいメーネ様に怒られるほど呑んでいる・・・という訳ではなのだが・・・。」
野戦机に腰かけ、スキットル・ボトルに入ったウヰスキーを一口舐めると、公国軍参謀本部次席作戦参謀のフォン・シューベルトSS少佐は目の前に立っている・・・耳の長い・・・妖精・・・エルフ?シルフ?ウンデネ?を見詰めながら続けて言った。
「メーネ、この化け物の装備は?」
シューベルトSS少佐は、自分の部下でもあり、公国王家の7番目の皇位継承者でもある、皇女メルジーネ・ヨーゼフ・フォン・ツー・ツィーフェア中尉に言った。
「はい、狩猟用と思われる木製の弓と、同じく木製の矢・・・これは出来の悪い鉄製の様ですが・・・を持っていました。」
「エルフとドワーフは仲が悪い・・・。」
「えっ?」
低いバスで答えたシューベルトに、メルジーネはシューベルトの方を振り返って言った。
「昔読んだ歌劇の台本にそういう言葉が書かれていた・・・それを思い出しただけだ・・・。」
シューベルトはそう言うと、顎でエルフを『連れて行け。』と指示をして、脇に立っている公国軍士官候補生学校の大尉に向かって言った。
「偵察部隊を編成する。
速やかに歩兵1個小隊、あれば兵員輸送用の車両と、重機関銃を差し出せ・・・。
ああ、学生は早く学校へ戻せ。」
そして、敬礼する大尉に返礼するとメルジーネに言った。
「連れて来た部隊を再編制してくれ。」
「今の士官学校からの兵力増強を含めて、歩兵5個小隊・・・これは全て自動車化となります・・・。
あと、3個小隊に小隊支援火器、そして摂政の計らいで近衛師団からⅣ号戦車が1個小隊(4両)つきます。」
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