序章

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「ああ、毒キノコを食べただけか。それならばこれで・・・」 一人でぶつぶつ呟きながら作業を進める。 別に今更手順の確認が必要なわけではないが、こんな風に独り言でも言っていないと、言葉を忘れそうになる。 忘れたとて不便はないのだが、時々こうして迷い込む人間との意思疎通に使うことがあるのだ。 「まったく・・・森のキノコは食べてはいけないと習わなかったのか?食べる時は私でも注意するというのに・・・」 森のキノコはとにかく似ているものが多く、危険なのだ。 「まずそもそもどうして人間がこの森にいる? 森にはがいるというのに。」 そう呟いて彼女は少し自嘲気味に笑った。
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