序章

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片付けを終え、少年を抱えて森を抜ける頃にはもうすっかり夜は空けていた。 「はぁ・・・」 森を抜けた瞬間、思わず彼女の口からため息が漏れた。 村の男たちが(くわ)やら(かま)やら(すき)やらとにかく武器になりそうなものを手に持って立っていた。 ちらりとその後ろに目を向けると、遠巻きに女たちが見ていた。 怯えの中に確かに蔑みを含んだ目をこちらに向けて。
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