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「お前は痛みを十分に背負ってきた。
一人で、な。
そろそろ他人に痛みを分け与えてもいいんじゃないか?」
「他人に分けてどーすんだよ」
あたしの痛みはあたしにしか分からない。分からせてたまるか。
充は否定されながらも話を続ける達人だ。担当編集者がたじたじになるのも無理はない。
「弱音を吐くお前も見てみたいもんだ、ハハハ」
「変態がッ」
ひょうひょうとした姿に騙されてはいけない。
充は面白ければどんな事にも首をつっこむ行動の読めない奴だ。
「――羽を無くした鳥のお前に新しい翼を生えさせようとしている芽衣ちゃんに恩返ししてやればいい。」
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