4人が本棚に入れています
本棚に追加
/926ページ
「使うな。担当者の佐伯さんに言うぞ」
「サエサエは大海原のように心が広い人だから大丈夫だぞ」
担当者をあだ名で呼ぶ作家がいるのだろうか……。友香は食器を片付ける。
「友香は早食いだね」
「遅寝早起き早飯のバイプレイヤーだからな友香は」
「いいから早く食え。」
日曜日の朝がこんなにも騒がしいのはいつぶりだろうか。
奇妙な食卓がやがて当たり前のように馴染む日は……。
(ない。断固反対。
あたしはあたしのペースがある)
とはいえ芽衣が居候し始めてなんだかんだ結構経つ。もう追い出す気はない。
エミリアを救う目的さえ達成すれば晴れて元の生活に――
「ね、友香っ」
台所の後ろからぴょんぴょん跳ねてあたしにくっつく。触んな!
「なんだよッ」
「せっかくの晴れた日曜日だよ?芽衣、友香とウインドウショッピングしたいよ」
「一人でショッピングしてろ」
貴重な休日を有意義に使わぬ馬鹿がどこにいる。
「特に用もないんでしょ?だったら芽衣のお買い物に付き合ってよ~ねぇ~」
「勝手に休日は暇な奴に仕立てんなっ!用がなきゃ家に居るだけだ」
最初のコメントを投稿しよう!