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日曜の昼下がり。友香と芽衣は原宿竹下通りにやって来た。芽衣と電車に乗るのは意外とスムーズだった。改札で苦戦するかと思われたが何のその。どうやら日本に来る前に事前に調べてきたらしい。どうやって調べたのかは謎だ。
「――すっごい人がいっぱいだよ友香!」
「渋谷の方がすげーぞ。」
初めての竹下通りの人の多さに驚きを隠せない。
「あんま騒ぐなよ。かっぺだと思われるから」
「この人達ヒマなのかな?」
「ヒマだから来てんだろ。ほらクレープ食いたいんだろ、行くぞ」
事前にガイドブックで店をチェック済みの芽衣の目的はクレープを食べる事。甘いものが苦手な友香にとっては苦痛以外の何物でもない。
「並んでるよ友香~」
「一番前に強引に割り込めるのはテレビカメラとタレントだけだからな。並んでまで食いたいか?」
芽衣はううん、と即答して行列に並ぶ若い女性達を不思議そうに眺めていた。
「何あの子ウィッグ?」
「いくら原宿だからって水色のウィッグって……。」
どこに行っても目立ってしまう芽衣に友香は頭を抱える。
原宿珍道中は無事に終えられるのか。
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