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「どこでもドアから帰還したな」
扉はリビングに繋がっているらしく、充がソファーに寝転んでいた。
「どこでもドア言うな。充、寝るなら部屋に戻れよ」
「いや、こうして創作意欲を高めているんだ。少しこうさせてくれ」
口に万年筆をくわえてローテーブルには大量の原稿用紙が散乱していた。
友香は冷蔵庫からコーラを取りだし飲み干す。
「充お疲れみたいだね」
「ああ。晩飯作るか」
台所に向かい調理を開始する。ふと玉ねぎを手に取りボールの感覚を思い出す。
(玉ねぎで連想するなら武道館だろ……。)
忘れもしない感覚。今は鳴海春樹をどうやって"仲間"にするかだ。柄にもない友情はさらさらゴメンだが一度エミリアに協力すると決めた身分。
「しょうが焼きにすっか」
スタミナをつけてもらわなければ家計的にも困る。
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