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宝生の能力は何なのか。
友香は予想してみる。
(さすがに魔法なんか出すわけねーよな……こういうタイプは合気道か?)
友香の予感は的中。合気道ではないが宝生は"弓"を引くポーズをしてみる。
「――私は弓使いだ。……見えない弓を引く事ができる。」
「!」
宝生の両手が光輝いている。弓が出現し宝生は空に向かい矢を放つ。
ヒュッ!
「……恐ろしいな」
「七瀬。私もお前と同じく中学で部活は辞めている。家柄の都合でな、やりたくもなかった弓道と離れて今はせいせいしている。
ちょうど周りに疑いの目をかけられていた頃だったからな……。」
能力者の苦悩――
疑いの眼差し。
避けられる恐怖。
能力との葛藤。
全て捨ててしまえれば楽と考えてしまう愚かさ。
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