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「芽衣の友達の"ニック"がね、独自で感染の元凶を調べてくれていたんだ」
なおも"ありもしない"感染病話を続ける山田。
ここでボールを思いきり投げつけて「作り話してんじゃねぇよ」と怒鳴ってもよかった。
けど。
コイツの話が嘘には思えなくなってきていた。
嘘をついている人間の目ではない。
訴えている。
あたしなんかに。
たかが数時間だけ一緒に過ごした相手に。
「……どうした?
そのニックって奴、なんて言ってたんだよ」
「あ……信じてくれたぁ」
ホッと胸を撫で下ろす山田。
どうやら夢物語を聞いていたあたしの目は死んだ魚みたいだったらしい。
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