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「友香はナルシストなんだぁ」
ぬっ
後ろから山田が鏡を覗く。
誰がナルシストだ!
あたしは辺りを見渡して家を出る。
別にご近所付き合いがある訳でもない。
「――充さんはまだ寝てるんだね?」
「ああ充の活動は昼からだからな。作家は朝に働くものじゃないって」
充の執筆活動は昼間から真夜中にかけて。売れっ子作家の生態を追う密着番組の取材も何度かオファーを受けているが全て断っている。
神秘的な作家でいたいと言いつつ
ちゃっかり雑誌インタビューは受ける用意周到ぶりだ。
水無月充の生態は
あたしも知りたくない。
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