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昇降口に居る山田を放っておいて1-Cの教室に入る。
もう1-Cの教室にも慣れた。二度も"ダブって"いれば怖いものなしだ。
誰一人あたしに「おはよう」と声をかける者はいない。
大人になれば学年や歳の差なんてたいした事はないかもしれない。
学生時代は"ひとつ上"というだけで
とてつもなく大きな存在に見える。
だからあたしは校内ではずっと『七瀬さん』であり、
ダブり女の『七瀬友香』でしかないのだ。
充と交わした卒業の条件は『皆勤賞』。
一年も無駄な日々を送っているのに毎日律儀に通えと言ってくれた充には頭が上がらない。
無事に卒業。
それが今のあたしの目標。
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