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【 変化 】
小窓から差し込む太陽の光りで目を醒ましたものの、身体の節々が痛くて寝返りも満足に打てなかった。港に向かう準備を手伝わなきゃと思うのだが、立ち上がることも出来なくて、原因を作ったアランが謝るのに拗ねてみたり、心配して様子を見に来てくれたローランドやセージに謝ったり、なんとなく事情が分かったふうなフェリスに咎められたり、全く違う心配をするサイネスに困惑したり。
全力疾走の船に酔った、銃撃されたショックがまだ残ってる方向で言い訳して、体力の回復を図った。昼前にはなんとか立ち上がれるくらいになったのだが、足元が覚束ないため、絶えずアランが寄り添うものだから、昨夜のことを思い出して赤面してしまったり、こうなったのはアランのせいだと腹立たしかったり。
自分一人の感情で忙しいうちに一日が過ぎ、二日目にはほとんど普段と変わらない状態になったのに、心配そうに回りをちょろちょろするアランが面白くなったりと、不思議な蜜月を過ごした。
逢えずにいた分、触れられなかった分、取り戻そうかという勢いで纏わりついてくるのだ。
「アランって過保護だねぇ」
からかい混じりの溜息をついたフェリスに、思わず笑ってしまった。
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