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「なになに?何話してんの?」
即座にアランが反応する。
「べっつにぃー」
「いま笑ってたじゃん。面白いこと?」
「だから、別にって言ってんだろ」
「別にって言うんなら、俺に話してくれてもよくね?」
鬱陶しいくらい付き纏ってくるのに、束縛されてる感じはしない。他の誰と話してても特に気にするふうではなく、カイルの好きにさせてくれる。ただ、カイルの感情の揺れには敏感で、多少でも動くと即座に反応するのだ。
「アランって、世話焼き女房みたいだなって話してた」
「女房って!それ、カイルじゃん」
「は?」
きょとんとするアランに、怪訝そうにフェリスが聞き返す。
「俺、女房役じゃねぇもん。だって……痛っ!」
ベッドの上での役割を説明しようとし出したアランの後頭部を、思いっきり殴って黙らせた。
「お前、何言ってんの?」
笑顔に迫力を載せる。
「……スイマセン」
しゅんっとするアランの頭をフェリスが撫でていた。
「アランって、うちで飼ってる犬みたいだな」
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