La Vie en Rose 9

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「まさか、本当に来るなんて…。」 「入って良い?」 「え? あ、ゴメン。」 玄関をふさぐように立っていた黎は端に 寄った。浩也がパリから来たことを信じ られない黎をよそに、彼は勝手に靴を 脱いで上がり込んだ。黎は浩也を追い かけた。 「ねえ、何で?」 「何でって言われても。理由が必要?」 浩也は腰を覆う丈の黒のコートを脱いで 背もたれにかけた。彼は生成りのアラン セーターに黒というには若干薄い墨色の ようなパンツを合わせていた。コートの 形に黎は見覚えがあった。 「そのコート、AZUL HOMMEのよね。」
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