早起きと嫉妬

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早起きと嫉妬

「真白、朝ですよ。早く起きてください」 さわり心地の良い毛布に包まり猫のように丸くなり眠る末っ子の真白。 「んぅ・・・」 返事はしたもののまだ夢の中のようだ。 「早く起きないと学校に遅刻しますよ」 正論を言いつつもつい顔が綻んでしまう。 あぁ、可愛い。 いつみても可愛すぎる。 心の中はすでに手遅れな長男である。 「真白、ましろ・・・」 軽く体を揺すってみる。 「んぅ・・・ふぅぁぁ・・・れいにぃちゃん・・・おはよ」 まだ眠いのか目を擦りながらゆっくりと起き上がる。 「れいにぃちゃん、今何時?」 欠伸をし潤んだ瞳で問いかける。 「7時30分になる。それよりもなんなんだ・・・その寝巻は・・・?」 「ん?これ可愛くないかな?さっちゃんが買ってくれたの」 「皐月だと・・・」 「似合わない?」 黒猫の耳付きパジャマに驚くも心の中は鼻血ものである。 「似合っているが・・・お前は男だぞ」 そういいながらもスマフォを片手に連写する玲二。 「男の子は着ちゃだめ?」 「駄目じゃないが、今度もっと良いものを買ってやろう」 嫉妬心が渦巻く早朝のことであった。 ※補足 「真白、こっちを向いてにゃあと言ってくれないだろうか?」 スマフォを動画に切り替える玲二。 「に・・・にゃあ?」 これでいい?と上目使いで見つめる真白。 ぼたぼた・・・。 「れいにぃちゃん・・・鼻血・・・」 カメラ越しでも破壊力抜群だと気づく玲二であった。
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