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3分の戦い
食事が作れるれいにぃちゃんとさっちゃんはお仕事です。
今日は祝日で家には誰もいません。
「お腹すいたなぁ・・・」
真白、空腹という大ピンチをむかえています。
時計はお昼を指示し、冷蔵庫は空っぽ。
お菓子はあるけどれいにぃちゃんが手が届かない場所に置いてしまった。
ため息をつく真白。
「おい真白、何してんだ?そこ邪魔なんだけど」
「かいにぃ・・・なんでいるの?」
「はぁ?バイト休みって昨日言っただろうが。真白こそ何してんだよ?」
「お腹すいたの・・・」
お腹を擦りながら海斗を見上げる。
「なんか食えばいいだろうが」
「何にもないもん」
ほんとだよ?っと冷蔵庫を開けて見せる。
「まじか・・・カップ麺でも食うか」
玲二がキッチンの上の棚にしまっておいたカップ麺を海斗が手を伸ばし手にとる。
「それ食べるの?」
「食べねぇーの?真白がいらねぇーんなら俺だけ食べるけど」
「れいにぃちゃんが大人しか食べちゃダメっていってたよ?」
「はぁ?意味わからねー」
玲二は健康を考え真白にはカップ麺を食べさせないようにしていたのだ。
海斗はお湯を沸かしカップ麺に注ぐ。
それを不思議そうに真白が見つめる。
「いい匂いがする・・・」
「こら真白、カップ麺の蓋あけんな!」
「お腹すいたんだもん」
「だめだ、まだ3分たってねーだろうが」
「なんで待つの?もうできたでしょ?食べたい食べたい」
初めてのカップ麺に興味津々の真白。
テーブルに置かれたおいしそうな匂いに我慢できず蓋を開けようとする。
「ったく、まだ固くて食べれないっていってんだろーが」
真白からカップ麺を遠ざける海斗。
3分が待ちきれない真白との戦いに疲労する海斗であった。
※補足※
「うまぁああああ」
カップ麺のおいしさに虜になる真白。
「1個しか作ってないんだから半分よこせ」
兄弟仲良く半分こして完食しました。
後日、
海斗が一人の時を狙ってこっそりと「カップ麺食べたい」と言いにくる真白に海斗が胸キュンしたのは言うまでもない。
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