テストの点数は言えません

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テストの点数は言えません

「あやにぃ・・・どうしよう」 今にも死んでしまいそうな声で助けを求めてくる末っ子。 絢斗はリビングのソファーで読んでいた本を閉じる。 「どうしたの?体調が悪いの?どっか痛いとか?」 心配する絢斗をよそに真白は、右手に持っていた紙を差し出した。 「この間の英語のテスト返ってきたんだ」 絢斗は嬉しそうにテストの表を見る。 「・・・真白、どうしちゃったのかなぁ?」 テストの点数は3点。 何かの見間違いかと思い何度も確認するも見間違いはないようだ。 思わず黒い笑みがこぼれる。 テスト勉強はテスト前日まで絢斗が勉強を教えていた。 英語の綴りや発音など事細かく説明し時間をかけて教えていたのだが・・・ 「真白、ここに座って」 「・・・あやにぃ、ごめんなさい。怒ってる?」 ちらちらと絢斗の顔色を窺う真白。 「それはそれは怒ってます。玲二に報告です」 「やだっ・・・」 やだやだと首を左右にふり泣きそうになる真白。 「れいにぃちゃんには言わないで・・・言ったらだめなの」 「どうして?あんなにも頑張って勉強教えたのに真白はできない子なんでしょ?」 「・・・ちがうの。ましろできる子なの」 「じゃあ、なんでこんな点数なわけ?」 「テスト中にお腹痛くなっちゃったの」 「ほんとに?」 「ほんとだよ!ましろ嘘つかないもん。でも・・・この点数みたられいにぃちゃん怒るからあやにぃに話したの」 ぽろぽろと涙が零れる真白の瞳が見ていられず思わず抱きしめる絢斗。 「ごめんね真白、玲二には僕から話すよ」 正直な真白の気持ちに心を動かされた絢斗であった。 ※補足※ 翌日、 「真白、この間と同じテストの問題作ったから解いてみて?」 「あやにぃ・・・お腹痛いからまたあとで」 結局、勉強から逃げ出す真白であった。
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