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炭酸に負けた日
それは暑い夏の夜のこと。
バイト後、シャワーを浴びた海斗は冷蔵庫を開ける。
手にしたのは500mlのペットボトル。
そこへ、
「かいにぃ、それなに?」
興味津々で近づく真白。
「サイダーだけど、飲むか?」
「サイダー・・・?おいしいの?甘い??」
「甘いって言ったら甘いけど・・・」
「じゃあ、飲みたい。ちょーだい?」
ぱあっと満面の笑みでおねだりのポーズをする姿に海斗撃沈。
「こら海斗、真白にそんなもの飲ませてはいけません!」
仕事から帰宅したばかりの玲二が止めに入る。
「ちょっとくらいならいいじゃない、ねぇ?」
夕食を作る皐月が真白のかたを持つ。
炭酸飲料は糖分が多いだけではなく、あの炭酸特有のしゅわしゅわとした感じが癖になったら真白の健康を損なう恐れがあると玲二は今まで真白に飲ませなかったのだ。
「れいにぃちゃん・・・ちょっとだけ、ちょっとだけならいい?」
指でジェスチャーしながらどうしても飲みたい真白。
家族の視線が玲二にささる。
「おねがい?」
とどめは首をかしげながらおねだりする最上級の真白のおねだりポーズ。
「・・・ちょっとだけだぞ?」
玲二からのお許しももらい初めての炭酸に挑戦することになった真白。
小さなコップにサイダーを注ぐ海斗。
「ほら」
それを真白に手渡すと嬉しそうにコップの中を眺める。
「しゅわしゅわしてる!あわあわだね」
にっこりとほほ笑む可愛い真白の前でまたもやスマフォを片手に動画撮影する玲二。
「さあ、飲んでごらん?」
さっきまでだめだといっていた玲二はそこにはおらず、もはや変態の域である。
「いただきますっ」
ごくっ・・・。
一口飲めば口いっぱいにしゅわしゅわが広がる。
未知の体験に目を見開き驚く真白の姿に3人は悶えていた。
若干、炭酸がきつかったのか目を潤ませながら「もう一杯っ!!」と叫んだ真白に3人が同時にツッコミを入れたのであった。
※補足※
翌朝から、
「サイダー、サイダー・・・」
と奇妙な曲調で歌いながら嬉しそうに冷蔵庫を開け当然のように飲もうとする真白を見つけるたび注意する玲二の姿があったとか・・・。
★炭酸の飲みすぎには要注意です!!
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