華という少女

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あたり一面真っ白な部屋にポツンと一人立つ華。 目の前に突如として現れた、後ろ足だけで立つ自分よりも遙かに大きな猫。 ケットシー。 ケットシーの頭には王冠が乗っていた。 「華、今まで百匹の猫を助けてくれてありがとう。助けられた猫たちは、新しい飼い主の元で幸せに暮らしている。猫の王として、今まで助けられた猫に代わり感謝する」 ケットシーは(うやうや)しくお辞儀した。 ケットシーにつられて華もお辞儀する。 姿勢を元に戻すと、ケットシーから尋ねられた。 「ついては、何か華に礼がしたいのだが、何か願いはあるだろうか?」 願いは一つだけ。 「死にたい」 華は小さな声で呟いた。
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