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(おばあちゃんになって、体質が変わったのかしら)
それと、不自然なのは頭髪だった。
この時代にいる堀越の年齢は七十六歳、なのに白髪が一本もない。
染めているのなら地毛がわかるはずだ。
その意味するところは、堀越はカツラをつけている。
女性ならいくつになっても、頭髪のことは気になるものだが、しかし、美樹は過去の《自分》なのだ。抜け毛の原因が食生活のみだれなら、日頃、服装の乱れに厳しい堀越だ。隠したりせずに、《あんたのせいでこうなのよ、規則正しい生活をしなさい!》と、注意するに決まっている。
(そうしないのは、まさか?)
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