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ましてや、試合の前日にフォームを変えるなどムチャもいいところ、苦労して完成させたフォームを変えるだけで、コントロールもダメになり球威も格段に落ちてしまう。
だが奮闘努力の甲斐もなく、九回の表、塁に走者をだしてしまい、最後のバッターに内角ギリギリに投げたカーブを打たれて、あえなく四対三でチームが逆転負け――
このとき、美樹は涙を流しながら、マウンドでつぶやいた。
「みんな、わたしのせいだ……。ごめんね、みんな」
チームメイトは美樹の奮闘ぶりを知っているだけに責めるような真似はしなかったものの、彼女の受難はそれだけですまなかった。不自然な投球を続けたせいで肩も痛めて、ソフトボールを辞めなければならなかったのだ。
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