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「いや、その、ちょっと……」と、いう、あいまいな言葉は通用しなかった。
(こいつ人寄せパンダに使える!)と、思われたんだろう。
勧誘は恐喝に近い強引さだった。
茶室という密室で海千山千の三年生に「入部するよね、するよね! す・る・よ・ね!」と、つめよられて、その日から茶道部の幽霊部員として在籍することになってしまった。
(なにこれ、こんなライトノベルみたいな展開でいいの?)と、しょげる美樹に対して、ホクホク顔なのは茶道部の先輩で、目論見どおり、その日から女子部員が増える、増える。
どうやら元エースで茶道の心得もあるというギャップが、《萌える》ポイントらしかった。
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