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母親は「どうせ、すぐあきる」と、牛乳瓶の底みたいなメガネの奥の小さな目を細めて、反対していたが、同居している祖父の考えは違った。
「これからの時代コンピュータは必需品になる」という柔軟な発想で貯金をはたいて孫娘にプレゼントしてくれたのだ。
祖父は中二になる弟の一樹(かずき)にも、高校生になれば買い与える気でいるようで、母親をあきれさせている。
当時はデスクトップのパソコンは高く、三十万円以上はする。高校生がコンピュータを持つなど贅沢のきわみだ。美樹が大喜びしたのはいうまでもない。
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