ラノベでいいの?

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サクラも散り、そろそろ五月の連休が気になる季節――スポーツ少女からすれば夜の街に通う女の子の気持ちがわからない。  《いくらやさぐれていても、危なっかしい夜の街に突撃する不良の気が知れない》  そんな感覚だ。  真夜中の都会の喧騒、アルマーニの背広を着た派手な兄ちゃんが、シャンデリアや白いカーペットで飾り付けた改造車を乗り回し、大音量のイケイケのディスコサウンドを聴きながら女の子を一本釣りする危険地帯だ。  女の子もしたたかで、そういったナンパが大好きな連中をミツグ君、またはアッシー君、メッシー君などと呼んで原色に染められた扇子を片手にもてあそぶ。  美樹のような元体育会系には真逆の世界すぎて、とてもじゃないがそこに埋もれようとは思わない。
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