4人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
日ごろから、この親友に『ダサい!』と、悪口を言われるのを忌々しく感じているが目下のところ連敗中だ。沙耶は手ごわく、(いつか見返してやる!)と、思うものの、なかなか勝てない。
ちなみに《彼女が水着にきがえたら》は六月に公開予定の映画で、流行に敏感な沙耶はan・anやnon―noを購読するなど当たり前の情報通でクラスでも一目置かれていた。
好きな女優もとんがっている。
美樹はほんわかしたイメージの原田知世だが、これとは対照的に沙耶が好むのはバリバリと仕事に打ち込む役柄が多い浅野温子で、「これからは自立した女だよ」と、胸を張るが、美樹は大企業に勤務するキャリアウーマンが、どうも苦手だった。
体を逆三角形に見えるように両肩にパッドを入れたスーツに身を包み、自力でチャンスをつかんで人生をサバイバルする! というハングリー精神が、どうも暑苦しく感じてしまうのだ。
最初のコメントを投稿しよう!