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なんだかモヤモヤした気分で、岩井が住むマンションに案内された。
彼女はかなりの高給をもらっているらしく、オートロックの高層マンションの二十階に部屋があった。
「うわ、でかいマンション、あの~先生は?」
「先生はべつの場所に住んでいます。メンテナンスができるまで、ここで寝泊りしてもらいます。遠慮なく入ってください」
高速エレベーターで二十階へあがり、ドアをあけると綺麗に整理(せいり)整頓(せいとん)してある部屋に通された。
大きな薄型テレビと新品のゲーム機が並べてある。ゲーム機は新品のケースに入ったままで、あきらかに本人は興味がなく、美樹のために買ったらしかった。
さっそく「やっていい?」と訊くと、「どうぞ、でも夜間はイヤホンをお願いしますね」と、返事された。
しかし、よく見れば、どう遊べばいいかわからない。
「ありゃ、ソフトのカセットがない」
「ちょっとまってください」と、岩井は本棚の上のソフトを持ってきて、機械にセットした。
「あ! そこからあけるんだ、へえ~、この時代は円盤なんだぁ~」と、岩井がなにかするたびに美樹は感心した。
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