ラノベでいいの?

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 で、(それはソフトボールで経験済みなんだよね、やっぱり目指すはおとなしい女の子だよ、なんだかんだ言っても、ああいうのがモテるじゃんか、いい男がいたら絶対に猫を百匹ほど被りまくって、ボーイフレンドをいただきだ!)と、夢想していた。  さて、茶道部になってから時間をもてあますほど暇になったかといえばそうでもない。  茶道部に顔を出すのは週三回だけ、あとは勉強で、放課後になればコンビニでサンドイッチを買ってから塾へ直行だ。  (でも、それってふつうだし)と、塾のロビーのドアをくぐりながら、彼女は大きな欠伸をした。  今朝の新聞によると、一九九二年、九月には週休二日制になるらしいが、導入された頃には、すぐ卒業になる。  これは彼女としてはショックだった。生まれるのが早すぎたばっかりに、さほど週休二日制を満喫することなく、高校生活を終えなければならない。  「あ~あ~! わたしの世代が一番貧乏くじを引かされる世代だったりして!」と、美樹はこの記事を読んで、朝食の食パンを食べながらむくれたものだ。
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