10years ago

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「・・・・んっ…やっ!!」 そこまでしてようやく聞けた静香の喘ぎ声はとても心地がいい。もっと聞きたくて暴れる静香を制しながら下着の隙間から手を入れて先ほどよりぬかるんでいる秘部に指を這わせた。 くちゃり…と音を立てたソコはおよそ本人の意思とは裏腹にしっかりと潤っていて俺の指を今か今かと待ちわびているようにしかみえない。 「ほら、濡れてる。気持ちいいの?」 耳元でもう一度囁いてやれば秘部への刺激と相まって大きく体を揺らし、掴んでいた腕の力が強くなる。静香の身体の弱い部分を知れたことに嬉しくなりながら執拗に同じ場所へ愛撫を続けたらようやく抵抗していた身体の力が抜けた。まさかイッた?と思って顔を覗き込んだら真っ赤な顔で目の淵に溜まる涙を流さないように必死に堪える静香と目があった。 「抵抗…辞めるの?」 下腹部が更に熱を持つのを感じながらもそれを出さないようになるべく冷静な声で問いかけた。ここでなんと言われてもこのままことを進める決意に変わりはないのだけど、もしも気持ちがこちらに傾いて続けられたら嬉しいに決まってる。 「………な、んで…っ、ど…して、今なの……?」 言葉の意味ははたしてどちらだったのだろうか。なぜ、今なのか。その問いかけだったのだろうか? 溢れた声をかわきりに静香はそのまま声を上げて泣き出してしまった。しゃっくりと嗚咽をし、「なんで?どうして、」と呟きながら。 「…それは、静香が一番知っているんじゃないのか?」 上から覆いかぶさるように抱きしめて泣きじゃくる彼女に囁く。そのままこめかみにキスをしてベッドの上で向かい合うように横になり頬を両手で包んで顔を無理やり自分の方へ向けさせた。 「静香が今なにを考えているのか、なにに対して泣いているのか俺には全部わからない。無理やり身体を重ねようとしてることに泣いている…、それは分かる。じゃあどうして俺が今静香を抱いているのか理由を考えてよ。 」 「んっ…」 強張っていた身体の力が抜けて掴んでいた手を離した。でも今度は自分の意思で目を合わせてくれる。 「せっかく忘れさせてくれそうな人に出会うことが出来て近い将来私はその人と結婚するつもりだったの。」 「うん。」 「同窓会でもし "シュウ" のこと見かけても今は彼がいるから大丈夫だと思ったから今日ここに来たの。本当に忘れられる筈だったの!!なのに…っ!!!」 全部、俺が悪い。静香はきっと何も悪くない。 「やっぱり貴方がいつまでも私の中から消えてくれないの!!! ずっと、子供の頃からずっと好きだったんだから!!」 叫ぶようにして伝えられた告白を聞いて、今度は止まることなく身体を繋げた。 挿れる直前に今後想像できる未来が頭を過ぎった。この関係がバレたらいろんな人に怒られるだろう、傷つけられるだろう。静香もあいつのファンから多くの誹謗中傷が来るだろう。もしかしたら今日先程までは元クラスメイトとして友好的に接してくれていた人達も皆、俺を、俺たちを蔑むようになるかもしれない。 でも、それでも 「静香が欲しい。」 「……あたしも、秀哉が欲しい。」 ゆっくり優しくなんてことはせずにまだ迷いが瞳の奥から消えない彼女が少し憎くて、アイツの姿をかき消すように一気に静香の中に自身を埋める。奥まで全部入れれば今まで感じたことがないくらい気持ちがいい。間をあけずにそのままゆるゆると腰を動かせば少しだけ震えた唇から先ほどよりも大きな快楽に溺れる声が漏れた。 「……はぁ…っ、そんなに締めるなよ…」 「やだ……、そ…な、わかんな……っあぁっ!!」 しっかりと口にしたその言葉は俺の腕の中で乱れる彼女に届いたのだろうか。 それとも、一夜限りの過ちとして忘れ去られてしまうのだろうか。 「あっ、ひぁっ……っ!」 「…ん?あぁ、ここが…好き…?」 「 やぁ…っ……!も、止めて……っ、」 ある一点を突いたとき静香がひときわ高く声を上げる。そこを重点的に攻めれば気持ちいいのか震えながらもナカの締め付けが強くなる。 もっと…もっともっともっと鳴けばいい。 明日から起こるどんな未来を選ぼうともこの出来事をいつまでも忘れずに今だけは俺に溺れればいい。 忘れなければいい。
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