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「お待たせしましたー!!!受付から参加者全員が揃ったそうなのでとりあえず乾杯だけみんなでしたいと思いまーす!ほら、そこ俺の顔見て笑うな!!」
「なんでもいいのでグラス持ってくださーい。」
ステージからマイクの声が聞こえて当時からクラスの人気者だった五十嵐 伊緒と樋口 香織がフロアに呼びかける。彼らも当時とは変わり伊緒はさらに大人で大輝とは違い髭の似合う素敵な男性へ、香織は当時学年で一番可愛いと囁かれていただけあって嫌じゃない色気を纏った大人の女性になっていた。
ちらりと隣に視線を向けると何人が2人に見惚れているのがわかる。確かにジャンルは違えど2人が並べばとてもお似合いのカップルに見える。
「持ちましたかー?それじゃあ、
かんぱーーーい!!!」
2人の声が重なりそこかしこでグラスが音を奏でる。
俺も本日2杯目のビールのグラス片手にもう一度司や隼人たちとグラスを合わせた。
「隼人ー、秀哉ー!」
聞きなれた声がする方は視線を向ければ将也と祐希が学生時代とは違ったスーツを纏いそこにいた。
「やっと来たのかよ。おせーよ!」
「わりぃわりぃ!祐希の車に乗せてもらって来たんだけど道が混んでてさ。」
本間 祐希。
実家はそこそこなのしれた地主で金持ちのボンボン…とまでは行かないがそれなりにお金持ちの家系に生まれた坊ちゃん。今は実家が経営していた会社の次期社長として勉強中らしい。中学校3年間の友人。
ちなみに最近また車を買い替えて愛車はアウ○ィだとかBM○だとかなんとか…
長澤 将也。
男なのに睫毛がびっくりするくらい長くて可愛い系の顔をした保育園からの友人。ただしその顔に似合わず背も隼人の次に高くしっかりした考えの持ち主なので6人の中では一番性格が男前。
この6人でよくつるんでいて学生時代だから出来るバカも散々やった。大学を卒業してからは連絡こそマメに取らなくなったが今もこれからもずっと仲のいい友人だ。
「武田の話聞いた?あいつ俺が今取引してる会社の受付嬢やってんだけどさ、こんどその会社の営業のエースと結婚するんだとよ。すげぇよな!」
「次期社長候補のお前が何を言うか。」
「そーだそーだ。サラリーマンの俺らに謝れーっ!」
2人の言葉を合図に祐希を取り囲んでいじり倒す。その景色を参加してない隼人と一緒に眺めて懐かしくなった。
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