追憶と現実

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あれはテスト中だとか何とかで久々に部活が休みになった時だった 休みなのは嬉しいけれど、羽を伸ばしてはいられないな…と、憂鬱な気分で電車を降り改札へ向かうと 今降りたホームの向こう側から綺麗な女の子が1人歩いて来た 若干小柄ではあるが、すらりと伸びた手脚…グラビアモデルの様なスタイルに思わず見とれてしまった 確かあれは私立の女子校の制服…って… その後は言葉を失った うなじが綺麗に見えるショートボブ 近づくにつれて分かる、はっきりとした目鼻立ち 一見別人のように見えたが、確かな面影があった …雪野… 改札の手前で呆然と立っていた俺に気付いて、はっと目を合わせたが 直ぐに顔を背け、改札をくぐった 今まであった事が何も無かったかのように…
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