追憶と現実

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高校の間、陽太と雪野は順調に時を重ねていった 一度危機的な状況を迎えたことはあったらしいが、大事に至らず卒業し 雪野は県外の大学へ進学し、俺と陽太は地元に残って近場の国立へ進学し離れて過ごす事になった 離れていても連休を狙ったり、学校やバイトが休みの日を見つけて会っているのを知っていた このまま、そう遠くない将来にこいつらが結ばれる日が来るのかもしれない…まぁ、こいつならいいか と、諦めにも似た暖かい気持ちで見守っていたが…知らせは突然来る 「終わったってどう言う事だよ!!」 最近元気がなかったので陽太を飲みに誘ったら、思いもしなかった事をポツリと吐いた 「会えないのは辛いんだって…」 「だからって簡単に諦めんなよ!!」 「俺だって頑張ったよ…一緒にいたかったよ!!でも…」 「何でだよ!!」 陽太の不甲斐なさに段々とボルテージが上がって行く 「ここまで来たんなら最後まで幸せにしてやれよ!!」 「俺だってそうしたかったよ!!ずっと一緒にいれると思ってたんだから!!」 俺に反応する様に陽太のボルテージも上がって行き、逆ギレの様な状態になった 「だったらそうしろよ!!」 「けどもう無理なんだ!!」 「そんなんじゃねぇだろお前の気持ちは!!」 「そうだよ!!けれどこれ以上彼女を泣かせたくない!!」 陽太の息が上がっている これが…陽太の決断だったんだろう 散々…思い詰めた後の… 「…てか直樹も何でここまで俺に突っかかる?」 一瞬戸惑ったが、もう誤魔化せない…と思い…言う事にした ずっと抱え込んでいた想いを
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