追憶と現実

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好きだから…雪野が…お前の彼女が好きだから」 その瞬間陽太は固まり、瞬きすらも失った様だった 「それって…どう言う事だよ…」 陽太の反応は当然だろう 今まで何もかもを打ち明けて来た相手が実は敵だったのだから 俺は軽くため息を吐くと、飲みかけのグラスに手を掛けた 陽太は頭を抱えているが、俺には長年溜め込んできた重しから解放された様な妙な清々しさがあった 「いつからだよ…」 聞いて来た陽太は眉を八の字に曲げ、見た事ないくらいに困った顔をしている 「高2…お前らが付き合う少し前くらいから」 陽太は腑に落ちないとでも言うかの様に首を傾げ、更に顔を困らせていた そんな陽太を見ているのも悪くないと思ったが言う事にした 今まで一度も話したことが無かった雪野との接点について 「幼馴染なんだよ…小、中とずっと一緒だった…」
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