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クズ男の俺
俺は最低な男だ…
面倒な事からいつも逃げてしまう
成長のない人間…
そんな自分と向き合う事からも逃げているのかもしれない
あれしたい、これしたい
あーなりたい、こーなりたい
あれが欲しい、これが欲しい
けっきょく、いつも続かない口だけ人間
昔からそうだ…きっと元々の俺自身の本質なんだろう…俺、佐藤令志(れいじ)は、別にそんな大した器の持ち主でもないし、どこにでもいるような普通の安月給のサラリーマンだ。
「今日も病院に行けなかったなぁ…」
ハンドルを握り呟く。
本当は行けなかったんじゃない…行かなかったんだ…職場から目と鼻の先にあるはずなのに、どうしても行けない…待っていると分かっていて行かない…待っていると分かっているから行けない…彼女の入院する病院。
いつまでも逃げてちゃいけないと分かっているのに、俺に何か出来る訳でもないし…最近、残業つづきだし…飲み会の幹事も頼まれて、お店とか連絡しないといけないし…
こうやって言い訳ならべて、いつも病院の前を通過し帰宅する。
「あっ!ナナのご飯!!」
アパートの近くのコンビニに急いで寄り、適当に買い物をして玄関のカギを開ける。
「ごめんな~ナナ~今日も遅くなって」と出迎えてくれる猫を抱き上げる。
ペット可のアパートに独り暮らし
山積みの郵便物の上にカギを投げ、リビングのソファーに腰を下ろすとさっきコンビニで買ったものをビニールから出し、散らかった部屋の散らかったテーブルに置く。
「ナナは、サラダチキンが好きだよな♪魚肉ソーセージも食べるか??キャットフードの方が栄養あるんだぞ?猫のくせに食べないんだから、ワガママにゃんこだな~」
猫を撫でながら、缶ビールをあける。
何を見るって訳でもないけど、とりあえずテレビをつけて、缶ビール1本と適当に何かを食べる、これが俺のいつもの日常…
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