クズ男の俺

1/1

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ

クズ男の俺

俺は最低な男だ… 面倒な事からいつも逃げてしまう 成長のない人間… そんな自分と向き合う事からも逃げているのかもしれない あれしたい、これしたい あーなりたい、こーなりたい あれが欲しい、これが欲しい けっきょく、いつも続かない口だけ人間 昔からそうだ…きっと元々の俺自身の本質なんだろう…俺、佐藤令志(れいじ)は、別にそんな大した器の持ち主でもないし、どこにでもいるような普通の安月給のサラリーマンだ。 「今日も病院に行けなかったなぁ…」 ハンドルを握り呟く。 本当は行けなかったんじゃない…行かなかったんだ…職場から目と鼻の先にあるはずなのに、どうしても行けない…待っていると分かっていて行かない…待っていると分かっているから行けない…彼女の入院する病院。 いつまでも逃げてちゃいけないと分かっているのに、俺に何か出来る訳でもないし…最近、残業つづきだし…飲み会の幹事も頼まれて、お店とか連絡しないといけないし… こうやって言い訳ならべて、いつも病院の前を通過し帰宅する。 「あっ!ナナのご飯!!」 アパートの近くのコンビニに急いで寄り、適当に買い物をして玄関のカギを開ける。 「ごめんな~ナナ~今日も遅くなって」と出迎えてくれる猫を抱き上げる。 ペット可のアパートに独り暮らし 山積みの郵便物の上にカギを投げ、リビングのソファーに腰を下ろすとさっきコンビニで買ったものをビニールから出し、散らかった部屋の散らかったテーブルに置く。 「ナナは、サラダチキンが好きだよな♪魚肉ソーセージも食べるか??キャットフードの方が栄養あるんだぞ?猫のくせに食べないんだから、ワガママにゃんこだな~」 猫を撫でながら、缶ビールをあける。 何を見るって訳でもないけど、とりあえずテレビをつけて、缶ビール1本と適当に何かを食べる、これが俺のいつもの日常…
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加