君との日々

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君との日々

君の想い出はいつも鮮やかだ。 君を初めて見たのは、親友のカズ兄の写真だった。 君はまだあどけなさの残る少女で、 ふり向いた時にカズ兄のカメラに気づいたのだろう。 少し長めのおかっぱが宙に舞い、細い首を際立たせていた。 はにかむような笑顔の君は、初々しく咲き初める花の様だった。 僕も君と同様にまだ子供だったが、どきんと胸が高鳴るのを感じたんだ。 カズ兄は君をとても大切にしていて、君の話しをいつもしていた。 直接会ったのも、カズ兄が僕のために君を呼んだ時だったね。 すべての国民が貧しい時代だった。 その時の君は、手伝っている裏の畑の作業を終えたところで、 泥だらけだった。 他人の僕がいるのに気づいて、慌てて袖で顔をぬぐったね。 そのしぐさも素朴で可愛らしくて、 僕はこの時、絶対君をお嫁さんにしたいと思ったんだ。 あの時は14歳くらいだったかな。
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