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中学女子バスケットボール部
中学から本格的にバスケを始めた私と絢香。
練習はハードだったけどその分刺激的で、元々活発だった私はどんどんバスケットボールにのめり込んでいくようになる。
でも純粋に楽しかったのは最初だけで、2年になった辺りから私は晴れない思いを抱えコートに足を踏み入れていた。
そのモヤモヤの原因は、徐々に開いていった絢香との差。
性格的に絢香を引っ張っることが多かった私は、常に絢香の前に立っていた。
勉強では敵わなかったけど、それ以外で絢香に遅れをとったことがない。
だからこそ代替わりした新チームで絢香だけがレギュラーに選ばれた時、言葉にならない感情が私の胸に溜まった。
新チームになってから数週間が経った。
喉に小骨が刺さったような違和感を抱えながらするプレーはおざなりで、私はミスを連発し毎日顧問の先生に怒られていた。
ある日の帰り道、2人っきりになったタイミングで「どうしたの?最近」と絢香が尋ねてきた。私の様子は傍から見てもおかしかったらしい。
なんでもないと誤魔化しても納得しない絢香に観念した私はそれとなく自分の思いを口に出した。
「いやー、なんかね?最近絢香に置いてかれちゃったなー、なんて。ハハハ。なんか、うん、そんな感じ」
私はその時下を向いていたからわからない。絢香がどういう顔をしていたかは。
たっぷり間を取った後、消え入るような声で絢香はこう言った。
「でも、真智ちゃんの方が上手だから。私なんて下手だし、全然ダメだから」
落ち込んでいる私を見かねて、絢香が言ったこの言葉、嘘はついていないんだろうけど。
私なんて。
その一言が私の黒い感情に名前をつけた。
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