金=命

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聖也の父親である織原一成(おりはらかずなり)は、警察官の中でも偉い地位にいるというのは自慢話のように聞かされた。 その父親である男に招集がかかったというのは、つまりテレビで見たものが僕達だけではないという何よりもの証拠だった。警察もテログループの仕業と推測したのだろう。もちろんそれに向け深夜から活動を開始したが、警察でさえもテレビがどこから放送されたのか、ゲェムがなんなのか。何一つ分からなかったと、朝方聖也から連絡を貰った。 あの後聖也との電話を切り、今は落ち着いて朝を待とうという話になった。朝を待てば必ず何か分かる。そんな期待を抱きながら、僕と聖也は眠りについた。 と言っても当然すやすやと眠れる訳もなく、不安だけが頭を支配したので少しでも情報を得ようと、こちらはこちらでネットを通し情報を集めようとした。テレビを見たのが自分達だけじゃないなら、ネットの方がより多く情報を得られる。そう思っての行動だった。 だが確かに自分達だけじゃないというのは知り得たが、それ以上の情報は何も得ることが出来なかった。ゲェムに関する掲示板があちこちに見られても、そこに書き込まれる内容にゲェムに関する内容は一つもなかったのだ。それでも根気強く調べたが、結果は警察と何一つ変わらなかった。 そして気づけば、ゲェム開始時間である6時が迫りつつあった。
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