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1話:異世界、そして勇者
気づけば俺は、ひんやりと冷たい床に倒れこんでいた。
どれくらいの時間がたったかはわからないが、どうやら気絶していたみたいだ。
目を開けて上半身を起こし、周りを確認する。すぐ隣で丁度、ルイが目を覚ましたところのようで、目をぱちぱちしながら同じように体を起こしていた。
反対側の隣にはトモヤが、そして近くにアスカとジンがいる。3人とも今、目を覚ましたようだ。
他にも、カイリやセイン、ライ……あの薄手の毛布にくるまっているのはヨシヤか?それにシュウ先生とトウヤ先生も目を覚ましたようだ。
とりあえず、我がクラスの全員がいることが分かった。
そして、さらに周りに注意を向けてみると、薄暗い中、先ほどまでいた教室とはかなり違う光景が目に入ってきた。
先ほどまでの光景 → 一般的な学校の教室。フローリングの敷かれた床に、木製の机と椅子。大小の黒板とコルクボードが壁にあり、天井近くの壁には円形の時計。
今現在の光景 → まず床は石畳。俺たちがいる場所を中心に円を描くように石が敷き詰められている。壁や天井もまた石材。ちょっと大理石っぽい。更に、いくつか置いてある照明がアンティーク調の、まるで中世ヨーロッパのようなデザインで。
そして問題は石畳の床。そこには先程教室で見た紙に描いてあった魔法陣らしきモノが、デカデカと、クラス全員が収まるほどの大きさで描いてあった。
ここまできて、違和感を感じた。
……何だろう。なんかこう、この光景に覚えがあるような……。
いや、自分が行ったことのある場所とかいうより……小説や漫画、アニメみたいな二次元創作世界において似た描写のあるものを読んだことがある気もする。
と、考え込み始めたとき、
「目が覚めたようだな」
コツ、という靴音と共に知らない男性の声が聞こえてきた。
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