Ep.9

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「うん、少し肉付きが良くなってきたね」  酒に酔った東堂が満足そうに微笑む。  晩酌に付き合うとはいっても、日暮はただ相槌を打っていただけだが、満足した東堂に解放されシャワーを浴びると、下着姿のままあれよという間にベッドに引っ張り込まれた。 「自分で作ったりもしてるからかな」  まだ肋骨の形がわかる程度に痩せてはいるが、確かに腹回りや太ももに押し当てれば指が多少埋まるほどの肉がついてきた。  今までのような任務がなく、運動をあまりしていないせいだと反論したいが、服の上からでもわかる東堂の無駄のない引き締まった身体を見て眉をしかめる。  東堂と1日の大半の行動を共にしているが、同程度の運動量であることに気付いたからだ。 「私としてはもう少しふっくらしてくれてもいいんだけど」  そう言って、東堂は日暮の太ももにするりと指先を滑らせる。 「特に、こことか」 「……ん」  そのまま日暮の左足を持ち上げて自身の右肩に乗せると、足の付け根を揉み解すようにゆっくりと刺激し始めた。 「今でも気持ちいいんだけどね」  東堂が顔を胸元に寄せると、揉み解す動作も相まって下着が食い込んでむず痒い。 「日暮くん、体柔らかいよね」  ふふっと笑って楽しそうに日暮の体を弄る東堂は、おもちゃで遊ぶ子供のように無邪気に見えた。
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