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「ねぇ螢ちゃん、こっちはどうかな?」 「うん、いいんじゃない?」  もうすぐ八月に入る。  佳くんは夏休みに入ると、すぐにこちらへやって来た。  彼がこちらへ来た日、俊太と三人で例の場所へ集まり、夏休みの予定を組んだ。  佳くんにとっては学生最後の特別な夏ということもあり、夏の間にこの町で出来ることを、できる限り実行しようという話になった。  (ほたる)()り、花火、夏祭り。  それから、昼間に日陰でのんびりとアイスを食べるだけでも、三人ならきっと楽しいはずだと、私は何故だか熱くなって話していた。  今年の夏は楽しくなりそうだと、少し興奮していたのだ。 「こっちもいいね」  今夜は蛍狩りに出かける。三人で夕食を()ってから川へ出かける予定だ。  しかしその前に、私たち二人にはやるべき事があった。  二日後の七月二十八日は、俊太の誕生日なのだ。  プレハブ小屋の飾り付けについての話し合いやケーキの予約は済んでいる。  今日は、プレゼントを探しに雑貨屋まで来ていた。  私と佳くんはこそこそとバースデーパーティーの準備を進めていた。  二日早いけれど、蛍狩りの日に三人が集まるのだから、その日に祝ってしまおうという事になったのだ。 「準備、結構ギリギリになっちゃったね。ごめんね、僕がもう少し早くこっちに来られていたら良かったのに」 「そんなこと、全然大丈夫だよ。バッチリ間に合うしね」  そう言って、私は右手の親指を立てながら佳くんに笑いかけた。  そんな私に、佳くんも笑顔で応えてくれる。  佳くんと俊太は、前回会った春休みの間に仲良くなれた。  二人は結構相性が良かったらしく、俊太は佳くんをホシケイと呼ぶようになり、三人で本当に楽しく過ごせるようになった。 「あ、螢ちゃん、あれ見て!」
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