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「名前は『春奈』っていいます。撮ってくれたのは父なんですけど」
そこに写っているのは,母娘の仲睦まじいツーショット。
「へえ,可愛いねえ。君も,いいお母さんの顔してるよ」
「そうですか?ありがとうございます」
美優は少しはにかんだ。お世話抜きで,ストレートに褒めてくれる裕一に,何年ぶりかでキュンとなる。
「……あ。あたし,あなたの顔,どっかで見たと思ってたんです。そっか,本の裏表紙の写真で見たんだ……」
今言うことではないけれど。美優はこの瞬間に思い出したのだ。
「――うーんと。じゃあ,春奈ちゃんのプレゼント選び,僕も協力しようかな」
「えっ,いいんですか?」
「うん,いいよ。春奈ちゃんは,僕の娘になるかもしれない子だし。何より,君ともう少し一緒に過ごしたいからさ」
「え……。ああ,じゃあお願いします」
美優だって,もうちょっと彼と一緒にいたい。カフェでお茶しただけで,ハイさようならじゃ淋しすぎる。
「うん。じゃ,僕の車で一緒に行こう。――おもちゃ屋でいいのかな?」
「はい」
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